ニューオリンズ・バウンド②

前回のつづきをブログにも載せます。

翌日からは、ニューオリンズの中心部、フレンチ・クウォーターなどを当てもなく散策した。
モーテルからフレンチ・クウォーターまでは、歩いて20分くらいの距離で、その間には雑貨屋や小さな商店などがポツリ、ポツリとあった。
あるお店の外側のガラス窓には、鉄格子のような頑丈なものが取りつけてあり、よく見ると、ひび割れがある。銃弾の跡だ、と思った。後で知った事だが、私がニューオリンズに着いた2、3日前にもこの付近で殺人事件があったらしい。 
私はフレンチ・クオーターまで歩き、昨夜、タクシ―で通ったバーボン・ストリートに行ってみることにした。盛り場というのは、昼と夜の顔が大きく違う。日中の太陽にさらされたバーボン・ストリートは、気のぬけたビールのような気だるい空気に包まれていた。「強物どもが夢のあとか・・・」と私は思わず呟いた。

バーボン・ストリートの外れに、「カフェ・デュモンド」という有名なカフェが見えたので行ってみることにした。そのお店の名物は「ベ二エ」と呼ばれる揚げパンのような、砂糖まみれの食べ物で、「カフェ・オレと一緒に食べるととても美味しいのよ」と店員の太った黒人の女性が教えてくれた。噂には聞いていたが、アメリカの飲食店は量も多いし、その上値段も安くて驚いた。
「ここなら毎日来ても良いな」と私は思った。
「カフェ・デュモンド」の近くには公園があって、ストリート・ミュージシャンが頻繁に演奏していた。
演奏曲は伝統的なデキシーランド・ジャズが多く、ニューオリンズを感じさせる音楽が溢れていて、「さすがルイ・アームストロングを生んだ街だなぁ」と私は感心した。
もちろん、演奏レベルも高く、日本でなら十分に良い値段で聞かれるであろう「銭の取れる音楽」だった。しばらく、ストリート・ミュージシャンの演奏を楽しんだあと、いくらかをチップとしてギター・ケースの中に入れて、またフレンチ・クウォーターあたりを歩きだした。