メメント・モリ

3月は年度末っていうか、一区切りで4月から再スタート。
その頭の4月1日が「嘘の日」なんて、皮肉やな(笑)

ミックジャガーの恋人が亡くなって、ストーンズはワールドツアーを無期限延期。
あんだけ成功しても、というか、成功すればするほど、その影もまた濃く深い。

世の中には意外と「手に入れる」ことだけを考えてる人も多いけど、
何かを「手に入れる」ということは何かを「手放す」ということやからね。

「諸行無情、祇園精舎の鐘の音」って
昔の良い言葉があるけど、
まさに人生は無情であり、「栄枯盛衰」は絶対の真理。

外国にも
「メメント・モリ」っていう、イスラムの方の言葉があって
これはつまり「死を思え」っていう意味らしい。

ネガティヴな意味じゃなくて、必ず人にはタイムオ―バ―の時が来るから
「毎日を力の限り生きろ」っていう意味やと思う。

俺は中途半端なポジティヴシンキングなんて大嫌い、悪いけど。

「諸行無情」
「メメント・モリ」の方が
逆にポジティヴやと思うよ。

さて、そんなわけで、
時間には限りがあるので
どんどんライヴをやっていこうと思う。

まずは今週、湯島で演奏します。
よろしくー!

カントリー・ブルーズ

なんだか3月だというのに、クソ寒くて、うんざりする。
けど、暖かくなったら極端に気温上がりそうやな。

先日は、昔お世話になった「江古田倶楽部」というブルーズバ―に行って来た。
そこのマスターが、長いこと病気療養中だったので久しぶりやったけど、
ひとまず元気になったみたいで何より。

江古田の街もすっかり変わってて、なんだかウラさびしいような雰囲気やった。
夜の20時過ぎで、コーヒー呑む店もないくらい(笑)
どうした江古田?

「江古田倶楽部」というお店は知る人ぞ知る、カントリーブルーズのライヴを聴ける
日本でも数少ない、というかほとんど唯一のお店。

ブルーズの現状は、本国アメリカでも人気ないし、
日本にいたっては、ほぼ一般の人は知らんレベル(笑)
ましてや、その中のカントリーブルーズなんてのは、最も商業的じゃないジャンル(笑)

けど、ビジネスライクじゃないのも文化として大事やと思う。
人間同士のコミュニケーションとしてもね。

先週のストーンズは、ビジネス的には素晴らしいショ―やけど、
「なんだか味気ないなぁ」という印象も残った。
ライヴというより、巨大な「YOU TUBE」でライヴ配信を観てるような(苦笑)

なにはともあれ、自分は自分のやり方で物事を進めていくしかない。
世間的な評価は別として、
俺の中ではストーンズも、江古田倶楽部も同じような価値。

誰かが作ったルールに乗ってないってことが大事ね。

さて、今月は29日に湯島で浅見さんとブルーズライヴ、
そんでもって、4月8日は池袋でバンドでのライヴやります。

俺なりに「転がる」としよか

転がってる?

東京ドームでストーンズを観てきた。
けっこう早く着いて、コンサート前のSE(音楽)を聴いてた。
エイミーワインハウス、リトル・ウォルター、とかブルーズっぽいのがかかっててストーンズのチョイスか
どうかは知らんけど良い選曲やった。
果たして、何万人も来てる客は、それらの楽曲が誰のどんな曲かを知ってるやろか?
たぶん知らんやろな(笑)

隣に座った家族連れが面白かった。
息子「お母さん、ストーンズ好きなん?」
おかん「いや、あんまり知らん、サティスファクションくらいしか」

よくそんなんで一万四千円も出すな(笑)

内容は、まあヒット曲連発で、しかもそれがだいたい60年代~70年代のもので
果たして「転がってるかどうかは」疑問が残るけど、
70歳くらいの人達が世界中を回るっていうことだけでもすごいのはすごいな。

キースはほとんど動かず、ミックが孤軍奮闘。
体を鍛えてるなぁ、と感心した。

ただ、ドームはなぁ、所詮野球場やからなぁ。
音がクソみたいに悪い。
ベースなんて聞こえない(音程が)
けど、それを気にしている客はいないように見えた、俺の目には。
まあ雰囲気ものね、「ストーンズ観てきたよ」みたいな。

やっぱり何事も生で感じる情報量ってのは、デジタルのものやバーチャルのものとは比較にならんくて、
なんでストーンズが売れてるのか?とかいろんなことを「なるほどー」と感じた。
また観ることはないと思うけど(笑)

俺は純粋なファンではないから、どうしても分析してしまうし、
むしろ、「分析せなアカンやろ」って思う。

たぶん「ライヴ」として楽しむには、ステージ花道近くの八万の席しか難しいやろね。
あとは遠くで観る「コンサート」って感じ。

ストーンズ側としては「肉眼で観たかったら八万出せ」ってことになるかな(笑)

結論を言うと、
ただの郷愁ではなくて、シカゴで観たサウスサイドのブルーズマン、ヴァンス・ケリーの方が俺は感動したし、
バスで何時間もかけて観に行ったBB KINGの方が感動した。
まあ俺の好みもあるけど(笑)

そいいや、20歳くらいの時に、ロンドンの100クラブっていうお店に行ったことがある。
ストーンズが売れる前にギグをしてた場所で、小さいキャパのええ感じの店。
今もまだあるんやろか?

うん、ストーンズも、小さいお店なら興奮するやろね。

アウトサイダー

根津の古書店で『アウトサイダーズ』という本と遭遇。
ちょうどアウトサイダーという曲を作ったところやったから、何かの縁を感じて手に取る。

内容もシカゴのミュージシャンが題材になってたりと、すこぶる興味深い。
ちなみにアウトサイダーの日本語は『逸脱者』
脱落者ではなく逸脱者というところが白眉やな。

ミュージシャンの中にも一般人の感覚の人と、アウトサイダー型とに分かれる。
まあほとんどが前者やけどね。

俺はミュージシャンである前にアウトサイダーでありたいと思ってる。
つまり、みんなが走る道ではなく、自分だけの道を切り開くってこと。
時には血まみれになるけどな(笑)

さて今週は金曜日にライブ。
アウトサイダーも、そうじゃない人も見物に来てほしい。